高硬度材加工

    

高硬度材の特徴

高硬度材は、硬度の高い材料全般を指す広義の言葉で「高硬度鋼」とも呼ばれます。高硬度材は金型材料や工具材料となる「焼き入れ鋼」を指すのが一般的です。高硬度材に分類される材料は、焼き入れ処理を施しているため、硬い反面、欠けやすく脆い特徴があります。そのため力を加え変形させる切削加工、プレス加工、鍛造加工などにはあまり向きません。

プレス加工、鍛造加工などを施す場合、焼き入れ処理をする前の状態で加工するのが一般的です。

高硬度材の主な用途

高硬度材は、強度や耐摩耗性が求められる分野で活躍しています。高硬度材の用途として最も代表的なものが金型です。プレス金型の場合は高硬度材のなかでも衝撃に強い、SKD11、SKS3などといったダイス鋼が利用されます。プラスチック金型の場合は、金型メーカーで熱処理が不要なNAK80などのプリハードン鋼の利用が主です。

高硬度材の金型以外の用途としては、切削工具やバネなどがあげられます。切削工具の場合、高硬度材の中でも硬度と耐熱性に優れた「超硬合金」や「ハイス鋼」が利用され、ドリルやエンドミルに加工されています。バネの場合、SUS304CSPやSUS301を代表する材料が使用され、スプリング、板バネ、電池接点などに加工され利用されています。

高硬度材加工

高硬度材の切削性

高硬度材の切削性は決して優れているとは言えません。しかし、近年では切削工具や工作機械の進化によって、HRC60以上の加工ができるようになってきました。

高硬度材の切削では、工作機械や工具の剛性が重要なポイントです。剛性が低いと刃物の寿命が極端に落ち、加工精度が著しく低下する原因となってしまいます。刃物の材種選定では、基本的には硬度と耐熱性に優れる「超硬合金」や「CBN(キュービック・ボロン・ナイトライド)」を利用するといいでしょう。

ただし、これらの材種は硬度が高い反面、衝撃には弱いため、間違った切削条件で加工してしまうと、刃先が欠ける「チッピング」が発生してしまいます。切り込み深さ・幅を小さくし、切削速度を高めにするといいでしょう。

また、高硬度材は切削時に熱が発生しやすいため、熱対策も重要となってきます。冷却性に優れた水溶性のクーラントを高圧で切削部分に噴射するのが良いとされています。高硬度材の切削には多くのノウハウを必要とし、機械や工具も適したものを使用しなければなりません。そのため、高硬度材の切削加工が必要な場合は、高硬度材の切削が得意な業者に依頼することをおすすめします。

高硬度材加工ならお任せください

プレス鋼板の高強度化や金型の寿命改善などますます需要の高まっている高硬度材の加工ですが、切削抵抗が大きく、 切れ刃欠損や本体折損などドリルの寿命短縮の問題があり、難削材同様、多くの加工業者が敬遠しがちです。

当社は過去に金型加工を行っていた経験を活かし、HRC65を超えるような高硬度材の加工実績も豊富です。 放電加工を使わずに焼結部品の後加工や穴あけにも対応できることが大きな特徴です。

高硬度材(超硬材)は、難削材とは性質の異なるものが多いため、両方とも加工できる業者は多くありません。高硬度材加工ならタイセイ製作所へお任せください。