チタン加工

    

チタンの特徴

チタンは他の金属と比べて軽量・高強度・耐食性に優れる特徴があります。チタンの重さあたりの高比強度はアルミニウムの約6倍、鉄の約2倍となっていますので、質量を軽くすることができます。また、強度だけでなくバネのように戻る力も鉄の2倍ほどあるため、曲げても元に戻りやすい特徴もあります。チタンの溶解温度は約1660度と、鉄よりも高いため、熱にも強い金属です。さらに耐食性にも優れており、海水耐食性は白金(プラチナ)と同等レベルとなっています。ほかにも人体に対しても安全な金属でもあります。チタンは金属アレルギーの原因となるイオンの発生が少なく、生体適合性が非常に優れているのです。

万能な金属に言えるかもしれませんが、チタンにも欠点はあります。チタンの製造時は他の金属と比べて時間とコストがかかりますので、価格が高くなりがち。ステンレスと比べても約10倍近くの価格差が生まれています。

チタン加工

チタンの主な用途

軽量で高強度、耐食性に優れたチタンは、日常生活で使用する日用品や自動車などの部品に使用されます。メガネやハサミ、筆記具や印鑑などもチタン製のものが採用されています。

また、車やバイクのエンジン内部のピストンやバルブ、マフラーも軽量な特徴を持つチタンが活躍します。さらに医療機器や宇宙開発設備など、細かな精度が求められる分野でも、チタンの用途が広がっています。金額に関してのネックを取り除けば、さらに幅広い分野に広がるとも考えられます。

チタンの切削性

チタンには純チタンとチタン合金があり、一般的に見られるものは純チタンとなります。一方、チタン合金は加工時に発火する可能性が高いため、難削材として分類されます。チタンは可燃性が高く、切り屑が発生した際に燃焼しやすいのです。燃えたチタンを水で消化しようとすれば水素爆発を起こす危険もありますので、乾いた砂か粉末消火剤の準備が欠かせません。また、チタンは強度が高く熱伝導率が悪いため、切削したときに発生した熱が逃げる場所がありません。

チタン加工

材料と工具に熱が集中し、材料自体は燃えやすくなり、工具にはダメージが蓄積されるのです。そのため高速切削加工時には切削油が重要な役割を担います。切削油は水溶性と不水溶性との2種類がありますが、水溶性の切削油だとチタンの高速切削加工で十分な効果を発揮できませんので、多少のコストはかかりますが、不水溶性切削油を使用します。さらにチタンはたわみやすいため、切削する力を調整しなければ簡単に変形やひび割れが起きます。純チタンは反対に柔らかく粘りがあるため、削りカスが工具に付着しやすく、工具を傷めやすいとも考えられます。

チタン加工ならお任せください

チタン加工を行う上で、最も重要となるのは「加工経験があるかどうか」です。 加工した経験があれば、材料に応じた最適な切削速度や工具の選択などができるからです。 しかし、多くの加工業者では、材料費や加工時間コストも高くなることから難削材加工を敬遠しがちです。

当社ではチャレンジ精神をモットーとした企業風土を持ち、長年に渡り難加工に積極的に挑戦して参りました。 その結果、熱伝導率の低い純ニッケルやチタン、延性が大きい純鉄まで、様々な種類の難削材加工を得意としています。 チタンをはじめとした切削データの少ない材料も長年培ってきた技術で対応致します。